2018(平成30)年5月26日(土)


今回は、
あんまり「トンデモ歴史」に
ならないかもしれません。


「江戸時代、お百姓は米(白米)ばかり
 食っていた」
というテーマなのですが、


「そんなの当たり前じゃん!」と
言われそうです(^^;



江戸時代の農民がふだんは
粟や稗ばかり食っていて、
白ごはんが食べられるのは
お祭りの時ぐらい、

というイメージがありますよね。


どうやらそれは、
テレビの時代劇から植え付けられた
間違ったイメージのようです。



で、江戸時代の農民が
主食として何を食べていたのか
わかる資料をさがしたのですが、


じつは
見つかりませんでした。


農民がふだん何食ってたかなんて
たぶんあまりに当たり前すぎて
記録として残されなかった
んでしょうね。


有名な江戸時代の愚民政策、
「慶安の御触書」あたりに
出ていないかなーと思いましたが、
出ていません。


ただ、慶安の御触書ではありませんが、
飢饉の記録に
玄米を貧窮民(農民)に供出したら
「白米にしてくれ」と言われたとか、
あるようですから、
フツウに食べてたんじゃないですかねー
白米(^^)








江戸時代の農民は、
白米ばかり食べていた?


もちろん、
地域的な差はあったと思います。


米の取れる地域とそうでない地域とでは
とうぜん事情が違います。


それに、
冷害や日照り、ウンカ害などが
あった年は別です。


余談ですが、
甲斐の国なんかは絶望的に米が取れず、
例えば武田信玄は収穫の時期が終わると
近隣に戦を仕掛けて略奪しなければ、
甲斐の国人を養っていけなかった。


この辺は、北欧バイキングの略奪と
事情が似ていますね。


で、信玄は米を求めて諏訪や上野に
伸長した結果、大大名になりました。



話を戻しますが、

人は1年に
だいたい1石の米を食べます。


だから
江戸時代の人口が3,000万人くらいとして、
全国の石高が3,000万石あれば
全員の口に米が入るわけです。


だいたい江戸時代を通じての人口は
3,000万人で安定していて、
増減が無かったことはわかっています。

(その後、明治に入って
 人口爆発しますが)



で、江戸時代の石高は
3,055万石(天保2、1831年)
でした。


江戸期の初期とかの
年貢率は五公五民として
(ちなみに豊臣期は二公一民でした)、
年貢は約1,500万石ですね。


武士が人口の5%として、
だいたい150万人。


武士全員がフードファイター
だったらともかく、
150万人の武士が
1,500万石の米を食べるのは
ちーーとむずかしいです ( ̄∇ ̄;



江戸時代は鎖国中で
米の輸出をしていなかった事を
考えると、


日本全国で獲れた3,000万石の米は
最終的には3,000万人の国民の
口の中に入っていった事でしょう。


150万人の武士が食べる米は150万石。

1,500万石年貢を取り立てても、
自分たちが食べて残った1,350万石は
最終的にはなんらかの形で農民に
戻っていったという事ですね。







戻りかたの資料も
ネットで調べましたが、
とくに見つかりませんでした。



戻り方として考えられるのは、
以下の2通りですかね。



1番目は、
年貢は米でなく金納していた
のではないか、ということですね。


で、手元には自分たちで
食べる米を残していた。



室町時代って、
「地方の時代」だったんだけど。

室町時代は商品開発の時代で、
ナタネ油や綿花などの
商品開発が全国で盛んになった。


で、戦国・江戸期とかは
これらの商品の販売で得た金銭を
年貢として納めたのではなかろうか、と。



2番目は、
公共事業などの土木工事の労賃として、
米を農民に支払ったのではないか、
ということです。


秀吉政権は軍事政権で
築城などの土木工事を盛んにやりました。

江戸時代も初期は巨大築城が
けっこうありましたから、
その人足に米を支払ったのではないかと。


そう言えば、
日当が米1升とか
そんな話をどこかで聞いた
気もします。


また、秀吉の時代は
鉱山開発の時代でもあり
日本は世界の銀の半分くらいを
産出していましたから(※)、

鉱山人足にも支払っていたかもしれません。


※例えば明国などは
 日本の銀でもって
 銀本位の貨幣経済を回していました。



だから、
公共工事が少なくなった
江戸後期の天領などでは
年貢率が1公2民にまで下がっています。



それから。


もし全人口の9割を占める農民が
雑穀ばかり食べていたのであれば、

全国の田畑で雑穀ばかり作っていた事に
なると思いますが、
むろんそんな事はないはず。


ということで、
江戸時代の農民は
米ばかり食っていた


・・・・という事になるのですが。


イマイチ
盛り上がらなくてすみません (^^ゞ


            完




ネタ本:板倉聖宣「歴史の見方考え方」